クルマを買って重い維持費を払い続ける人間の鑑

また聞きなんだけど、TV で自動車を買って消費する行動はにんげんの本能なので、クルマを買わない若者は頭がおかしい(意訳)という公演をしている人がいるそうだ。
えーっと、人類は車と共にあった。マンモスを追っている時も、クマを追っている時も、クジラ狩りに出かける時も、いつだって常にクルマがそばにあった。
というなら話は別だが、クルマが発明されたのはもっと後になってからなのだ。

もう少し詳しく言うと、高いクルマに乗っていればそれに比例した顔の水準を持つ女性がおもむろに近づいてきて、デートできるというご老体には当たり前の習性だって
我々が猿であった頃には無かったのだ。
もちろん、それによく似たアプローチの仕方ならあっただろう。だが、にんげんのクルマを使ったそれのように高度に発達したアプローチは無かったはずだ。

さて、高い顔の水準を持つ女性がどのように高いクルマを持った男性とデートするかというのを書いてみよう。
彼女らはまず、クルマのカタログをパラパラと眺める。
ちょっと視ただけで分かると思うんだけど、彼女の目は値段に釘付けだ。
これは車の形と値段を覚えて、できるだけ高いクルマに乗っている男を探すためだ。
次に彼女らは山や河、海へ行って男たちの乗っているクルマに目を光らせる。

おや、あの青いコートを着た女性は緑のクルマに乗っている男性に目をつけたようだ。
この緑のクルマはさっき彼女が見ていた車のカタログで一番高かったやつだ。

ワァオ! 彼は高収入に違いない!!

ごめん、彼の乗ったクルマは親戚のおじさんに借りていたクルマなのだ。
乗っている彼はまだ新社会人でクルマを持っていない。
それを聞いた青いコートの女性は彼から去っていく。

ああ、なんてこった。
彼女らはクルマなんて相手にしていないんだ。男の財布がお目当てなのだ。
男性の方だって高い顔の水準を持つ女性の気を引ければ良くて、クルマなんて乗れればいいのだ。
別に女性が男性の懐具合を確かめられるのなら、ミニ四駆だって構わなかったのだ。

それでも、クルマにはミニ四駆にはかなわないアドバンテージがある。
それは、例えばマンモス刈りを行う際にマンモスがいそうなところに行くのにクルマを使うのが一番便利だということだ。

マンモスが生きていた時代にはクルマは乗り回せる赤いハンカチだったかもしれないが、今や時代は変わってしまった。
氷河期が来てマンモスは死に絶え、女性は寒さのせいか何かで頭が良くなった。
もっと変わったのは二次元少女がやってきたことで…、えーっと、その…男性というグループに所属している多くが彼女たちのような非実在存在に非常に関心を持つようになった。

男性なら誰だって高い顔の水準を持つ女性というのは必ずしもそれに比例した脳みそを持っているわけではないことを知っている。
なんていうか、魔法は既に溶けてしまった。