チーズはわしが育てた

チーズは探すな! を読んだ。

この本のメッセージはどこかで既に見たものばかりで正直つまらなかった。
何故って、映画やゲーム、漫画のストーリーの中で繰り返し発せられているものだから。
だけど、こんな風に寓話っぽくならないと分からないものなんだろうか?
よく考えてみると、子供の頃にホラーを観てトイレに行けなくなったときに親がよく云うあの台詞にヒントがあるように思われる。

「ゾンビはテレビだけの存在だからw」

私はよく云われたのだが、そう云われても脳内で恐怖の増幅が収まることはなかった。
リアル世界とモニターの中にいるゾンビとを容易に頭の中で切り離すことができたのは中学校を卒業してからであった。
そう、制約や条件を無視して飛び回ることができるのはテレビと云われる黒い長方形の電子機器の向こう側だけのことなのだと誰もが思い込んでいる所為だ。
ちょうど、ゾンビが脳内を勝手に練り歩くことを避けるためみたいに。
私だってゾンビが脳内を好き勝手に練り歩くのをそのままにしているよりは、それを防ぐことができたらどんなにいいかと思う。

だけど、そうじゃなかった。リアル世界にはゾンビより怖い怪物がいる。
そいつは私達の残機がたった 1 つしかないことをいいことに我儘の言いたい放題だ。
殆どの大人達はそいつのいいなりで、毎年成人の日になると…まあ、いいや。
えーっと、中二病を患っていた頃の方が、今より賢かったなんてことない?
そんなことないか。

まあ、少なくともこの本はリアル世界でだって制約や条件、我々を惑わす迷路や常識をシカトして好き勝手できるんだということを教えてくれる。
…んだけど、この本を読んだ多くの人は、この本が云うよう*1にそのことはそのこととして本を読む前と同じように人生を過ごしている。
私にはそのような生き方が悪いとも良いとも云わない。
だってこの本は、そういう「弱い人」のための本ではなく、覚悟を完了した人を勇気づけるための本だからだ。

*1:他の本が云ってたのかも。記憶がおぼろ